このブログでも度々登場する三砂ちづるさんですが
気になっていたこちらの本を読みました。
「月の小屋」
「おむつなし育児」から始まり、「月経血コントロール」
これまでにもいろいろな本を読みましたが、それぞれに大切なことを感じます。
この本は、6作の短編で「月経、妊娠、出産、生死、薬物依存、摂食障害・・・」
女性に関するテーマを、女性同士の会話というスタイルで書かれています。
最後の話で私も以前聞いたことがあった
「小屋」というタイトルで、「月小屋」 について書かれています。
月小屋とは、
月経小屋
のこと。
生理中、月経中の女性たちは不潔なものとされ、その間はその小屋に集まり生活をしていたそうです。
もちろん出産もそこで。
私の息子を昨年家族だけの出産 だったこともあり、出産についてあらゆる文献、資料を読んだだめ月小屋についても知り印象的だったのを覚えています。
一見すると、
「なんてひどいこと!!」「大切なことなのに不潔なんて!」
と思うのですが、
本にもありましたが、これは女性のことを大切に考えられていたということではないでしょうか。
生理、出産、産後は人目に触れず家事などもせずゆっくりしていたい時期、ゆっくりするべき時期だと思います。
現に、その月小屋を経験された方はとても楽しかったそう。
昔は、今と違い親・兄弟・子供の食事、洗濯、家事、育児・・・電化製品の無い時代に、冷たい水に、重労働。(そのお陰で鍛えられよい出産ができたとも思うのですが・・・)
隔離されるのも悪くないという気持ちわかります。
(妻なんて「月小屋ほしい、私も入りたい。」と言っています。)
月小屋なんて随分むか~し、むかしのこと・・・と思われるかもしれませんが、妻の祖父が86歳なので、祖父の親は経験していたのかもしれないというぐらい、つい最近の話。
感覚に従った生き方を
やはり、昔の日本人は感覚的に優れ、
その感覚を使い実際に行動していたのだなと思います。
他の国でも、いまだに出産後は数週間一切家のことをしない、させないというところもあるぐらいです。
わが家も、産後は私が仕事を休み長女の世話、食事、家事を行い、妻と赤ちゃんは産後1ヶ月は一切の外出、運動、目を使うこと(テレビ・読書・PCなど)をしませんでした。
その後もゆったりとした生活。
多くの家庭ではこのようなことは難しいことだと思います。
けれど、からだのことを考えると、仕事、お金、立場・・・いろいろな状況があるにしても
この時のことは女性の一生を左右するくらいとても大切なことだと思います。
また、この本には産後の問題だけでなく、授かるということ、男女のことについても書かれています。
とっても深い話です。
そして
心身ともに「嫁に行く準備」をする
というのもとても良いと思います。
妊娠・出産がとても辛かったという体験を聞くと、
普段の生活、食事、生理中の仕事、服装、自分の身体と向き合うことなど
(ロルフィング、東洋医学なども)
もっともっとできることもあったのになと思います。
多くの人に、「妊娠してから、出産後・・・」だけでなく、嫁に行く前から、小さい時からカラダのことを考えて生活してもらいたいなと思います。
親が子供に、その子供が親になったときに・・・と受け継がれていくべきもので、妊娠出産を考えることは「生き方を考えること」に繋がる大切なものだと思います。
月小屋について書かれているのはわずか数ページの作品ですが、その中に、他のお産関連の本とは違う目線でとても大切なことが書かれているように思いました。
生命、出産についていろいろなことを感じることができる本です。
また、その他の短編のお話も読む人によって浅くも、深くも、さまざまな感覚、感情を得るんだろうなという興味深い一冊です。
是非多くの方に読んでいただきたいなと思います。
私も身体のこと、妊娠出産のことについてもっともっと伝えたいことがたくさんあるのですが、とても繊細な問題もあり、なかなか進めていません・・・。
ですが、今年は少しずつでも動きたいなと思っています。
そして、この月小屋がなんと
「映画になる!」
そうですよ。
「うまれる」、「玄牝(げんぴん)」と続き嬉しい風が吹いていますね。
映画「月の小屋」オフィシャルブログ
とても楽しみです。
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